甲冑は戦闘の際に身を守る防具ですが、16世紀後半には鉄砲の導入により戦闘形態が集団戦となったことから、軽量で様々な身体の動きに対応できるように改良が加えられました。さらに集団の中で武将の所在が容易にわかるように、様々な意匠上の工夫もされました。
陣羽織は戦国時代以降、武将が甲冑の上から着用するようになったもので、同様に16世紀後半からは、武将の識別と存在の誇示を目的として、様々な形態や意匠、色彩を駆使したものが数多く登場しました。加賀藩歴代藩主の陣羽織は、特に洗練された意匠感覚で有名です。今回は3代藩主から14代藩主が所用した甲冑と陣羽織を展示します。
●主な展示作品●
黒塗六十二間甲冑 3代 前田利常 所用 江戸時代 17世紀
黒羅紗猪目文陣羽織 5代 前田綱紀 所用 江戸時代 17世紀
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