西陣の図案作家を振出しに日本画家として大きな業績をあげた堂本印象は、画塾東丘社を主宰し、京都画壇の中でも重要な位置を占めています。戦前においては古典と仏教の影響を受けつつ題材を広く求めて帝展でも入選を重ね、戦後は抽象画や風俗画など、旧来の日本画の枠にとどまらない幅広い作家活動を展開しました。
ところで丹波市は、郡部でありながら多くの画家を輩出していますが、その中で、旧制柏原中学に赴任し永く教鞭をとった山本茂斗萠 (やまもともとめ) は、堂本印象が主宰する画塾東丘社に参加して作画活動を行う傍らで、子息の中尾英武をはじめ現在も活躍する多くの美術作家を育てました。
本展覧会では、印象自身が構想創設した堂本印象美術館の所蔵作品30点と、東丘社所属作家の現在の作品を展示します。併せて、丹波市が「美術の里」として活発な美術・作家活動が行われる地域となっていくひとつのきっかけをつくった山本茂斗萠の作品を展示します。