当美術館のコレクションにある数多くのピカソの版画のなかから、今回はポスターばかりをまとめてご紹介いたします。
ピカソは、1881年スペイン南部の港町マラガに生まれ、美術教師であった父親の教えを驚くほどの速さで身に付け、14歳で、画家デビューを果たし、1904年にパリに出てから1973年に91歳の生涯を閉じるまで、フランスにとどまって絵を描き続けました。その旺盛で多角的な活動は、時代ごとにめまぐるしく作風をかえ、絵画のみならず、版画、彫刻、ポスター、陶芸、舞台美術へと及びました。
その制作数は、油絵と素描1万3500点、版画10万点、挿絵3万4000点、彫刻・陶器300点など「最も多作なアーティスト」としてギネスブックにもとりあげられるほど、美術史上他に例を見ない膨大な量に達しています。
ピカソが、1948年より制作を始めた自分の展覧会用のポスターという領域においても、質量共に断然他を圧しています。
本展では、ピカソ自身の個展のために制作されたものをはじめ、親友で詩人のジャン・コク卜ーなど多くの画家や詩人の展覧会用に制作したもの、世界平和会議やコート・ダ・ジュールの観光ポスターなど約70点で展観します。
ごゆっくりとお楽しみ下さい。