―富士山 世界文化遺産 登録記念―
静岡県は平成21年より2月23日を「富士の日」と定め、県民が富士山について「学び」、「考え」、「想い」を寄せる運動を展開しています。国土の7割を山々が占める我が国にあっても富士山は単なる最高嶺としてではなく、その秀麗な山容と相俟って特別な意味を持ってきました。日本人の高潔な精神の具現化として詩歌に詠まれたり、あるいは日本美の象徴として絵画に描かれました。
今回の展覧会では、富士山が世界文化遺産に登録されたのを受け、様々な富士が描かれた作品約50点を展示いたします。特に「東海道往来図屏風」(奈良県立美術館蔵)では、中世期の理想化された富嶽の形が偲ばれます。また三好汝圭筆「夏冬富士山真景図屏風」は、江戸時代後期の真景図としての典型を見ることができます。そして、横山大観、竹内栖鳳、福王寺法林、中路融人など、近現代の大家の名作も一堂に会します。
ぜひこの機会に霊峰富士の魅力をご堪能いただければ幸甚です。