エリオット・アーウィットはフォトジャーナリストとして世界の第一線で活躍し、85歳となった現在でもニューヨークを拠点に精力的に活動を続け、彼独自のユーモアとウィットに富んだ作品を数多く発表しています。
1928年ロシア人の両親のもとパリに生まれたエリオットは、戦禍を逃れて渡ったアメリカで写真家としての活動を始めます。若干25歳の若さで写真家集団マグナムの一員となり、報道写真に独自の視点を取り入れたマグナム第二世代の代表的な写真家として世界で高く評価されてきました。J・F・ケネディ大統領、チェ・ゲバラ、マリリン・モンローなど20世紀を代表する著名人も数多く撮影しています。1966年から二年間マグナムの会長を務め、現代の写真界に多くの影響を与えてきました。
社会的な出来事の記録だけではなく、エリオットの関心は何気ない日常の瞬間にも向けられ、子供達、犬、恋人、街路など心温まる日々の情景が、様々な記憶と結びついて豊かなストーリーを語り始めます。優しさと皮肉、ユーモアと哀愁が漂うエリオットの写真は人生という劇場の一瞬一瞬を鮮やかに写し出し、観る人々の心を惹きつけて止みません。
本展では、エリオット・アーウィットのサイン入りオリジナルプリント約60点の作品を4つのテーマに構成し、展覧いたします。この機会に是非ご高覧ください。