朝茶事とは、夏の早朝、暑くなる前に行われる茶事のこと。亭主は、涼しさを感じるしつらえと料理で客をもてなします。この度の展覧会では、当館の創設者である畠山即翁 (一八八一~一九七一) が昭和十三年 (一九三八) 七月二十一日に上野不忍池弁天堂において午前六時半から催した朝茶事の道具を、残された茶会記をもとに可能な限り取り合わせてご紹介いたします。懐石の器は、料理を再現して盛り込んだ写真を添えてご覧いただきます。夏ならではの涼やかな趣向をお楽しみください。併せて即翁と交流のあった近代数寄者の品々を展示いたします。