花鳥風月―自然の美しさとそれをめでる文化
花鳥風月とは自然の美しさであり、美しい自然を愛する文化です。古くから美術は花鳥風月をかたちに表してきました。「花鳥」の花は植物全般、鳥は動物全般を代表し、生命を象徴するものです。唐時代の中国で成立した花烏画は日本の四季の中で育まれ、近世日本絵画で大きく花開きました。日本美術の装飾性をよく表す琳派や伊藤若冲は花鳥画に多くの優品を残しています。「花鳥」に対して「風月」は天候、自然現象といえます。山水に象徴される宇宙の中に花鳥風月はあり、人の営みもありました。
本展覧会は「四季」「花」「烏」「風月」「山水」「人物」「琳派の版本」の七章構成で、千葉市美術館のコレクションから江戸時代の日本絵画を中心に花鳥風月を題材とした123点を展示します。