長谷川等伯 (1539~1610) は能登七尾出身で、能登時代は信春の名で主に絵仏師として活動しました。30歳を過ぎて正式に上洛、長谷川派を築いて活躍した、日本を代表する画家です。
その等伯が京都において、塔頭寺院を含めると最も多くの仕事をこなしたのが大徳寺です。紫野の地に建つ大徳寺は、鎌倉時代の創建以来、長い歴史と高い格式を誇る臨済宗大徳寺派の大本山です。数々の名僧を輩出し、茶の湯をはじめ日本文化に多大な影響を与えました。等伯も錚々たる面々が集うこの場所で多くのことを学び、ここを舞台に数々の名作を制作したのです。
当館「長谷川等伯展」シリーズ18回目となる本年は、「大徳寺と等伯」に焦点をあて、一部関連史料や信春時代作品なども併せ、5つのキーワードで23点を紹介します。石川県初公開作品が半数を占め、京都でも普段拝見することが難しい作品です。是非この機会にご覧ください。