本展は、2002年に鎌倉館で開催された個展「透きとおったゆめ 野中ユリ」の出品作をはじめとする多くの作品が、昨年度、作家より当館に寄贈されたことを記念して開催されます。
幻想的な作風で知られる野中ユリ(1938- )は、1950年代から2000年代初頭まで、銅版画やコラージュを用いて、精神性が高く、繊細で独創的な世界を築き上げてきました。
瀧口修造らに高い評価を受けた1950年代の銅版画から、1990年代を代表する『愛する芸術家たちの肖像』シリーズのコラージュなどに、装幀本を加えた約120点を通して、類い稀なる幻視者、野中ユリの世界を紹介します。