プリントアートは、一般に版画と訳されます。複数制作が可能で、木版画や銅版画、石版画などの種類があり、技法的にさまざまな進化を遂げてきました。
20世紀以降、とくに第二次世界大戦後、版画は、その表現領域をさらに大きく広げます。写真製版によるシルクスクリーンは、写真や既存イメージを引用した個性的作品を登場させます。写真と版画の境界は曖昧になり、コピーやコンピューターなど多様な技術を用いて「版」を使った作品が生まれるようになりました。
プリントという言葉には、「(版を使って) 印刷する」、「(型を) 押し付ける」、「(原板から) 焼き付ける」などの意味があります。紙やキャンバスに直接描くのではなく、最初に「版」をつくり、それを「プリント」することによって絵柄をあらわす間接手法プリントアート。今日、その表現はますます多様になり、従来の「版画」という枠におさまらない実験的な新しい作品が制作されています。
本展では、帯広美術館コレクションから、横尾忠則、矢柳剛、靉嘔、森村泰昌、ロイ・リクテンスタイン、サム・フランシス、フランク・ステラら、国内外の作品によって、多彩な20世紀のプリントアートをご紹介します。