茶道具の世界へようこそ
茶道の精神をあらわす「一期一会」。その意味は「今日出会った人と明日また会えるかどうかはわからない。一生に一度の出会いかもしれない。だから一服のお茶にも、湯加減、さじ加減を吟味して、心を込める。」というものです。茶道具には客をもてなすための最高の思いが込められています。そしてそこには亭主の感性や美意識が反映されています。
400年の時を経ても色褪せることなく私たちに語りかけてくれる茶人の思いや感性。それらは茶道具を機能から美へと進化させ、茶の湯を「総合芸術」の域にまで高めました。
本展覧会では国内外屈指の質と量を誇る出光美術館のコレクションから、茶道具に焦点をあて、茶碗・茶入・香合・懐石道具・釜や掛軸など約70点を展示します。千利休所持の「古天明菊水釜」や本阿弥光悦「赤楽兎文香合」(重要文化財) など、室町から江戸時代にかけての名品の数々を紹介します。
今回は当館初の茶道具展となります。夏の風とともに「一期一会」の気持ちが込められた茶道具の1つ1つが、あなたとの出会いを心待ちにしています。