くるっとはねたブロンドの前髪とニッカボッカがトレードマークの少年リポーター、タンタンは、1929年にベルギーのもと新聞記者エルジェが子供新聞に連載した冒険マンガに初めて登場した。物語では、ナイーブな感じの男の子が相棒の白いフォックステリア犬と一緒に世界中を駆け巡り、ひいては海底や月世界までを舞台に事件に巻き込まれ、知恵と勇気でそれを解決していく。この設定は当時たいへん新鮮で、たちまちのうちにヨーロッパを代表する超人気マンガとなった。平明なくっきりとした絵と、丁寧で正確なメカや背景描写を特徴とする「タンタンの冒険」シリーズは全部で24巻。作者エルジェは1983年に亡くなっているが、それらはマンガ史上に輝く古典として今も読み継がれ、日本語を含む58の言語に翻訳され、世界中の少年に夢と冒険心を与え続けている。
本展は日本ではじめての本格的タンタン展で、立体物や映像、原画、刊行物、作者紹介等でタンタンの世界を総合的に紹介。ファンはもちろん、まだ物語を読んだことのない大人も子供も気軽に楽しめる内容となっている。