20世紀後半、コンピュータ機器の急速な進歩により、高度情報化社会が構築されてきました。21世紀はまさしくコンピュータ・グラフィックスの世紀と言えるでしょう。そうした中で、コンピュータ・グラフィックスの技術も向上し、新しいアートの表現を切り開いています。本展は、世界のトップCGアーティスト河口洋一郎の作品を紹介し、今後のCG表現の可能性を探るとともに、CGのみならず様々なメディアアートの方向性を考えるものです。
河口洋一郎は、1952年鹿児島県種子島に生まれました。1975年から、コンピュータ・グラフィックスにいち早く着手し、「グロース・モデル」という成長のアルゴリズムを使った独自の理論をもとに、自然界の造形をテーマとして、自己増殖する人工生命のメディア都市や高密度感のある始原的野生の世界を創出しています。河口作品は、独創的な手法とイマジネーションの高さ、高密度な映像世界が海外からも高く評価され、数多くの賞を受賞しています。
本展覧会は、最新機器を用いた大画面映像インタラクティブ作品やハイビジョン3D映像作品、また、鑑賞者が携帯電話でアクセスすると、その場でオリジナルDGが創作され、それをプリントして持ち帰ることができるなど楽しい仕掛けが満載です。独特の造形と色彩豊かな作品が、音楽に合わせて鋭く動き回る河口アート。ハイビジョン3D映像で観るそれらの作品は、想像を絶する大迫力です。ぜひ、河口洋一郎が創るアナザーワールドへ。