第1次世界大戦終結後フランスに渡り、89歳で没するまで60年間、故国の地を踏むことなくパリに客死した長谷川潔(1891-1980)の回顧展です。
長谷川は早くから創作版画の草分けとして知られていましたが、渡仏後銅版画に専念し、ビュラン、アクアタント、ポアント・セーシュなどのあらゆる技法においてすぐれた作品を残しました。とりわけ、すでに忘れられていたマニエール・ノワールを近代版画の技法として復活させたことで世界的に高い評価を受けました。また長谷川はすぐれた油彩画家としても知られ、サロン・ドートンヌの会員にも挙げられています。
本展では、当館の約190点に及ぶ長谷川作品の自選コレクションの全貌を10年ぶりに紹介するものです。