夜空を見上げる……。
古代中国人は星々の中にウサギと龍を見た。
アインシュタインは「E=mc次乗」という短い数式で時空間の見方を変えた。ホーキング博士はビッグバン宇宙のイメージを変えた。1969年、人類は月に降り立った。
その前年の1968年、秀島由己男は月夜に響く祈りの歌を描いた。1975年、渡辺教はミクロの世界にコスモスを見た。1983年、野村仁は月の動きをメロディーに置きかえた。1987年、菊畑茂久馬は画面を月の光で満たそうとした。
物理学者は宇宙を数式に置きかえる。美術家は宇宙をモノに置きかえる。
どちらもカオスの世界からコスモスの世界をつくりあげる活動に他ならない。
本展覧会では、野村仁や菊畑茂久馬など、宇宙からインスピレーションを得て制作された作品、約20点を紹介します。