人間の形の造形物は、古くは2万年前には人の手によって作られていました。人の姿を形作ることは、人間の造形活動の歴史の中でも最も根源的なものであったと言えるでしょう。20世紀に入り、芸術の意味と可能性を問うような、時に難解と感じられる美術作品が作られるようになっても、目を凝らせばいつもそこには人間の姿があります。
人間の身体は、いつの時代も芸術家たちにとって汲みつくせぬ創造の源になってきたのです。
本展覧会のチラシやポスターに作品を使用している、20世紀美術を代表する画家、パブロ・ピカソが、芸術の破壊と創造を繰り返し、めまぐるしく作風を変化させたにもかかわらず、完全に抽象的な絵画に向かうことなく人間の姿を描き続けた事は象徴的です。
この展覧会では、当館の収蔵作品の中から、人間の姿・形を表した作品や、人間の身振りや動きを感じさせる作品を、ひと(人間の姿・形)、からだ(人間の身体)、みぶり(人間の動き)をキーワードに紹介します。