昨年、元金沢大学教授・岡澤孝雄氏より長年コレクションされた中米グアテマラの民族衣装など約100点をご寄贈いただきました。いずれの染織品も岡澤氏が1970年代を中心に各地の村々を歩いて集められたものです。近年グアテマラの山村にも国内外の社会情勢の変化の波が押し寄せ、かつての衣装形態が失われていく地域が多い状況にあります。氏の収集した30を超える村々の染織品は、先住民の服飾文化のすばらしさを後世に伝える貴重な資料といえるでしょう。この受贈を記念し、本展覧会では岡澤コレクションを中心に、既存の所蔵品も加え100点ほどの染織品をご紹介いたします。「グアテマラ・レインボー」と称賛される鮮烈な色彩や多様な伝統文様に満たされた衣装の数々に、民族が育んできた豊かな感性や「誇り」を感じていただけるのではないでしょうか。岡澤氏が撮影された村人たちの表情ゆたかな写真も必見です。