当館では毎年テーマを設け、3期にわたって選りすぐられたコレクションをご紹介しています。その1期目が2013年5月から始まります。「エステ」といえば「美容」を思い浮かべますが、本来、「エステ」という言葉は「aesthetics(エステティクス)」の略語で、「美学」を意味します。本展では、美術館とは美的価値を探求し提示する場であるという本質に立ち返り、「写真の美しさはどこにある?」をテーマに、写真のエステティクスについて考えます。「光」「反映」「表層」「喪失感」というキーワードを手がかりとして、19世紀の初期写真から現代写真まで、当館のコレクション作品をたどりながら、「美」をめぐる数々の表現に目を向け、そのたたずまいや趣きを味わって下さい。きっと今までと異なる写真作品の感じ方が開かれてくることでしょう。