多彩な芸術活動で知られる池田満寿夫(1934-1997)が、装幀や造本にも携わっていたことをご存知でしょうか。
「池田満寿夫の装幀本の特色とは何だろうか?と誰もが頭をひねるに違いない」と述べているとおり、本のための仕事では敢えて個性を押しだすことなく、著作者や書物の意図にかなったデザインを重視しました。しかしすべてが美術家・文筆家ならではの「装幀観に基づいて」手がけられ、本づくりに対する見識と愛情をうかがい知ることができます。
このたび当館では、作家の<ブック・アーティスト>としての側面に注目し、装幀本・装画本など約150点のほか、表紙画・挿画の原画である版画や水彩画、さらに作品が使われたレコード・ジャケットやポスターなどの印刷物を展示いたします。
ぜひこの機会に池田満寿夫の本の世界をご覧ください。