江戸時代に入り大都市では、芝居町、遊里、祭礼の行われた寺社に代表される盛り場を中心に活気ある町人の文化が開花し、人々は、四季の移り変わりに心を寄せ、行楽や年中行事を大事にした生活を送りました。庶民の関心事が主題として取り上げられた浮世絵には、こうした四季の変化を楽しんだ人々の姿が生き生きと描かれています。本展では、月々の行事を題材に婦女子を描いた勝川春章の傑作、重文「婦女風俗十二ヶ月図」をはじめ、鈴木春信、喜多川歌麿、歌川広重らの肉筆浮世絵・浮世絵版画を通して、季節感あふれる江戸のくらしを見つめます。