江戸と京都をむすぶ東海道は、江戸時代に本格的に整備が進み、参勤交代の大名行列や寺社巡礼の庶民などが行き来し賑わいました。旅が庶民にとって身近なものになると、各地の名所や宿場を紹介する案内書や、街道を題材とした版画が多く出版されるようになり、旅への憧れを一層かき立てました。
この度、歌川広重の名を一躍有名にした代表作、保永堂版「東海道五十三次」を中心に「行書版」及び「隷書版」の東海道シリーズを展示します。これらの版画には、豊かな自然の中を旅する人々の姿や、街道の様子が描かれています。その土地ならではの名所や名物、旅の乗り物など、江戸時代の旅とくらしをご紹介します。
新春のひととき、日本の自然と人々の生き生きとした姿を情緒豊かにとらえた風景版画の数々をお楽しみ下さい。