このたび群馬県立館林美術館では「石の鼓動 森 亮太」を開催します。
森 亮太(もり りょうた)は、1952(昭和27)年館林市に生まれました。金沢美術工芸大学在学中の76年、群馬県立近代美術館で開催された全群馬青年美術展(第1回群馬青年美術展)で《対位》(群馬県立近代美術館蔵)が優秀賞を受賞。金沢美術工芸大学大学院修了後上京し、ディスプレイ関係の仕事をしながら制作を続け、89(平成元)年、91年にはヘンリー・ムーア大賞秀作展(彫刻の森美術館)に入選など各地の美術展やコンクールに入選し、順調に作家活動を展開していました。93年、赤城山(現・前橋市)に念願のアトリエが完成、そのアトリエに向かう途中の交通事故により急逝、41歳の若さでした。
その作品は、直線と曲線を巧みに組み合わせることで、高度な技と思考が凝縮した抽象彫刻であり、同時になるべく機械を使わず、手で磨くことにこだわることで生み出された石とは思えない柔らかさと温かみを帯びていました。まさにヴィルトゥオーゾという言葉が当てはまる彫刻家といえるでしょう。
本展は、その早すぎる死を多くの人に惜しまれた彫刻家 森 亮太の、没後20年のレクイエムを兼ねた回顧展です。