テレサ・ウェーンベルグは,画家であり,また1970年代後半より活躍している,ヴェテランのメディア・アーティストです.ポンピドゥー・センターにおいて,ヴィデオ作品の研究と発表を行なった後,コンピュータ・グラフィックスなど幅広い領域を研究しました.
1980年のパリ・ビエンナーレをはじめ,アルス・エレクトロニカ,ELECTRA展など数多くの国際展に出品,1998年より,ストックホルムにあるスウェーデン王立技術研究所の研究員となり,ヴァーチュアル・リアリティのプロジェクトに携わっており,同研究所にある6面のCAVEシステムを使った作品《The Parallel Dimension》を発表しています.
彼女の作品は,記憶や知覚などをテーマにし,詩的に,また創造的にデジタル・メディアを身体化することにより表現されています.
今回の《ブレインソング──脳との対話》は,ICCのCAVEのため,スウェーデン王立技術研究所において開発された新作であり,人間の脳の神秘的な機能を,CAVEのヴァーチュアル・リアリティ技術を駆使して表現するものです.観客は,インタラクティヴにそのヴァーチュアルな脳の世界に入り込むことができ,人間の感情や記憶などについてのイメージを体験することができます.