迷宮とは、かんたんには抜け出せない複雑な宮殿のことです。魅力ある膨大な作品に満ちた芸術の世界もまた迷宮のようなものではないでしょうか。
本展は、所蔵作品を7つのテーマに分け、画家達が思い思いの探求をした絵画がならぶコーナーを迷宮に見立てました。常設コーナーのゴッホ、ゴーギャン、セザンヌと、館名に冠している東郷青児はもちろん、アンフォルメルの作家として活躍した堂本尚郎、国際的に評価の高い前衛グループ「具体」のメンバーであった元永定正、雑誌『フォーカス』の表紙で知られた三尾公三など、19世紀から現代までの絵画約70点をご紹介いたします。所蔵作品のなかでもそれぞれに個性がきわだつ現代の絵画群をゆったりとご覧いただけるのは、所蔵作品展ならでは。非日常的な空間をさ迷うひとときを、ぜひお楽しみください。