《回想 平山郁夫―前編―》では、平山郁夫の故郷である瀬戸田(現・広島県尾道市)の風景や人々を描いた少年期にはじまり、美術学校(現・東京藝術大学)時代の絵とデッサン、自らの画風を確立した《仏伝》シリーズ、異文化を肌で感じたヨーロッパ留学、カッパドキア遺跡やバーミヤン遺跡の壁画模写を通じてシルクロードに歩み出した姿を紹介しました。
その後、平山郁夫は生涯にわたって自身の脚でシルクロードを踏みしめ、スケッチを重ね、シルクロードに取材した作品を世に送り続けます。シルクロードの東端・日本の古都にも大きな関心を寄せ、京都を題材とした《洛中洛外》シリーズに新たな境地を切り開きました。
《回想 平山郁夫―後編―》となる本展では、当館所蔵の作品の中から、旅を続けながら描いたシルクロード各地の作品のほか、日本の原点・京都の風景、最晩年の傑作《大シルクロード》シリーズなど、祈りの旅路に至る画家・平山郁夫の大いなる道程を紹介します。