タイトル等
新版 日本の美術
伝統のもう一つの継承者たち
会場
山梨県立美術館
会期
2002-02-09~2002-03-29
休催日
2/12,18,25 3/4,11,18,22,25
観覧料
一般1000円 高・大生500円 小・中生260円
主催者
山梨県立美術館・新現代美術展2002実行委員会
概要
我々日本人は、近現代の歴史の中で明治維新、敗戦という大きな転機を経験してきましたが、それ以前とそれ以後とはまったく異なった時間が流れているように捉えてしまい、断絶した歴史を生きているように感じがちです。また、近代以降の西欧文明の性急な導入は国家的レベルでなされましたが、その過程で生じた様々な矛盾はそのままのかたちで、我々の生活や思考の中に存在していると言えるでしょう。敗戦後の急激な価値観の転換も同様のことを生じたはずです。しかし、私たち日本人は、大きな制度的変化を経験しつつも同じ土地、風土に生きています。その中で変わらずに培われた感性や、嗜好というものは、変わらずに存在しているはずです。また、自明のものだと思いこみ見過ごしがちな矛盾や諸制度は、視点を変えれば滑稽にも見えてしまうものですが、ある意味で日本の美術の本質を体現していると言えるでしょう。
本展ではそうした点を意識し、制作を続けている作家たちの作品を紹介します。彫刻というジャンルにルーツを持ちながらも、日本人であることを意識し続けて制作している中ハシ克シゲ。近現代の日本における美術の在りようをユーモアのあるかたちで表現する小沢剛。福田美蘭は様々な美術の成り立ちや、受容の構造をあっけらかんと露わにしてくれます。そして一見すると大和絵のコピーに見えてしまう山口晃の作品は、その実、日本人が描くという行為の本質を体現していると言えます。須田悦弘の植物を模した木彫作品は、あまりにもさりげなく、見過ごしてしまいそうなものですが、近世以降の日本美術における作品鑑賞の質を、現代において問うているようにも思えます。
現代美術の多くは欧米の価値観に根差したものと言え、それについての知識がなければ楽しむことが難しかったように思います。さらに言えば、そのことが現代美術を理解することの妨げとなってきたとも言えるでしょう。本展では、我々日本人の歴史と感性との接点から、作品を理解することが可能だと考えます。また、私たち日本人にとって「美術」とは何なのかを問う機会にも出来ればと思います。
ホームページ
http://www.art-museum.pref.yamanashi.jp/contents/
展覧会問合せ先
055-228-3322
会場住所
〒400-0065
山梨県甲府市貢川1-4-27
交通案内
●中央自動車道甲府昭和インターより
・料金所を昇仙峡・湯村方面へ出て200m先を左折、徳行立体南交差点左折、アルプス通りを約2㎞直進、貢川交番前交差点を左折、国道52号を約1㎞左側。

●JR中央本線甲府駅より
・甲府駅バスターミナル(南口)⑥番乗り場から発車するすべてのバスで約15分、「県立美術館」下車。
・タクシーで約15分。(料金1,600円程度)

●昇仙峡より
・敷島営業所行バスで「県立美術館」下車
ホームページ
http://www.art-museum.pref.yamanashi.jp/
山梨県甲府市貢川1-4-27
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