1970年に負傷し、絶望の淵にあった星野富弘は、1972年、知人から『塩狩峠』を借りました。これが三浦綾子氏の著作との衝撃的な出会いとなったのです。たて続けに読んだ『道ありき』と『光あるうちに』は、星野にひとすじの光を与え、三浦氏は星野の人生に大きな位置を占めるようになりました。
その後、二人は対談集を出版するなど交流を深めます。三浦文学と三浦氏本人との出会いが、星野富弘の生き方や作品の原点になっていると言っても過言ではありません。
今回の交流展では、三浦氏からの影響が色濃くみられる「たんぽぽ」「いのち」などの詩画作品とあわせて、三浦綾子記念文学館及び星野富弘氏から本展のために借用した資料を展示し、二人の交流の足跡をたどります。