フレスコ画家として知られる金森良泰の世界をご覧いただきます。昭和二一(一九四六)年奈良市に生まれた金森良泰は、東京藝術大学大学院壁画科を修了、独立美術協会会員として活躍するとともに、本年三月までは千葉大学で教鞭を執っていました。
フレスコ画は、未乾燥の漆喰の壁に水で溶いた顔料で彩色する画法で、イタリア・ルネサンス期を最盛期としますが、金森は壁面に描いた後に壁から剥離して、麻布(生キャンバス)に移し替えてパネルに定着させるストラッポと呼ばれる技法を駆使し、独自の世界を形成しました。本展は、近年主要なテーマとしている明日香・大和路を描いた作品を中心に紹介します。