「共棲」それはその命を支え合いながら共に生きていくこと。
数年前、わたしはカンボジアのアンコール遺跡のひとつであるタ・プロームで寺院の回廊にもたれかかるスポアンの大きな木と崩れかかる遺跡が共に支え合いながら生き続けている姿に出会いました。
建物が崩壊すれば木は枯死し、木が枯死すれば共に建物も崩れるだろう共存の姿は生きていこうとする命の力そのものを見るようで深く感動しました。
そのことが、13メートルにもなる大きな作品を創ることになりました。
そして今、この作品をもういちど紀伊国屋画廊の壁面で見ようと思いました。
わたしがこれまで表現し、発表の場であった紀伊国屋画廊が今年いっぱいで終わるという、そのステージにもういちど展示してみたいと思ったのです。
この作品の完結として、もう一枚、続き、を描きました。
どうぞご高覧くださいますよう、ご案内申し上げます。
福田玲子