何時も森羅万象に多情多感でありたいと思いながら仕事を続けていますが、昨年の災禍の後いつも通りには制作できなくなりチャリティー展に参加したり、支援活動に寄付したりして過ごしていました。
しかし描くことを生業としている僕の出来ることは今の気持ちを正直に描いていくしかないと考え「祈り」のシリーズを描き始めました。幾つかの偶然が重なって、幸運にも地球の上に生を受け生かされている私たち、その自然の摂理に従って生きていくしか道はないと思います。しかし小さな人間が願ったり祈ったりする力はきっと宇宙の大きな力に届くような気がします。そんな思いを画面から感じ取っていただけたら嬉しく思います。
2012年 春 笠井正博