1954年、芦屋で誕生した具体美術協会。「具体」の名で、解散後40年以上を経た現在でも国内外から高い注目を集めています。
具体を語る際、必ずと言ってよいほど引用される言葉があります。それは、「人の真似をするな」「誰もやっていないことをやれ」というものです。シンプルでありながらも厳格なこの言葉は、自身も前衛作家として活躍した具体のリーダー、吉原治良によるものです。18年間にわたって活動した具体では常にこの精神が根幹に据えられ、新しく、独創性あふれる造形表現が探求されました。
1957年のフランス人美術評論家、ミシェル・タピエの来日を契機として、その活動の場は海外へと拡がりをみせます。こうした環境の変化、新メンバーの加入などを経験し、新たな局面をむかえた具体。昨年度の具体誕生展に引き続く本展では、世界へと羽ばたきはじめた具体中期の活動をご紹介いたします。