画家が使用する絵の具を配置し、混色して色彩を生み出すパレットには、その創作技法の根幹が跡付いています。そのため「パレット」という言葉は、道具としての意味だけではなく、その画家のもつ「色彩感覚」や「色調」といった意味までも含まれて用いられることがあります。また中には得意のモチーフが描きこまれて、それ自体が作品となっているものなどもあり、パレットには独特の魅力があります。
ところがそのような画家たちのパレットの様々に接する機会は中々ありません。この度の展覧会は、世界でもまれな笠間日動美術館が有する350点余りのパレットコレクションの中から、海外の作家3名を含む近代の巨匠たち31名のパレットを一堂に展覧して紹介するものです。
パレットとともにそれぞれの画家の作品を展示して、その個性や感性をいつもとは少し違った側面からお伝えしたいと思います。