日本は緑豊かな自然景観に恵まれ、その国土の多くを山地によって占められています。古来人々は永遠性を感じさせる山の姿に畏敬の念を抱くとともに、その豊かな恵みを受けながら生活を営んできました。
峻厳かつ壮大であり、季節や時刻の移り変わりによって様々な表情をみせる山の姿は画家を魅了し、多くの絵画にも描かれてきました。中でも富士山や筑波山などは好んで描かれた画題の一つであり、また、山水図や蓬萊山などは理想郷の山として画家自身の想像や心象がそこに託されていると言えるでしょう。
本展覧会では横山大観らの日本画を中心に、五姓田義松らの洋画、小堀進らの水彩画を含む28点の作品により、日本人の自然観を反映した山を描いた絵画の魅力を紹介します。