100年間の「美人」の移りかわり
本展覧会は、美人画の蒐集で知られる福富太郎氏のコレクションより、幕末から昭和中頃にかけて描かれた美人画を紹介するものです。
美人画は女性の風俗を主題とした日本に独自のジャンルで、江戸時代の浮世絵において隆盛を見せ、明治以降も人物表現の代表的な主題となってきました。特に、浮世絵師の流れをくみ東京で活躍した鏑木清方は、粋と品格をあわせ持つ女性像の数々により、近代日本を代表する名手としてその名を知られています。
福富太郎コレクションは、鏑木清方をはじめとする東京の画家に加え、京都、大阪の画家たちの作品によって近代美人画の系譜をたどることができる優れたコレクションです。このたびは26名の画家たちによる女性像62点の競演により、約100年にわたる美人画の豊かな展開を存分に味わっていただきます。