「奇想の画家」のひとりに数えられるほどに独創的な画風を確立した江戸時代中期の画家・曾我蕭白(1730-1781)。京の商家に生まれた蕭白は伊勢地方(現在の三重県)を遊歴し、当地に多くの作品と逸話を遺しました。古い時代の絵画を換骨奪胎し、斬新で大胆な作品を描いた蕭白は、時を越え、海を越え、現在も多くの人々を魅了し続けています。
開館30周年を記念して開催する今回の展覧会では、6ヵ年に及ぶ修復を終えた、斎宮の旧家永島家伝来の襖絵44面を中心に、代表作、展覧会初出品も交え、蕭白の画業を振り返ります。あわせて、蕭白の師とされる高田敬輔、蕭白に先駆けて復古的な作風を示した山口雪渓や大西酔月、そして蕭白と同時期の京で活躍した円山応挙や伊藤若冲などの作品も展観し、蕭白の鮮烈な個性に迫ります。