江戸時代、東海道は江戸と京・大坂とを結ぶ東西交通の主要な街道で、多くの人々や様々な物資が行き交いました。
社会が安定して交通施設が整備され、経済活動の発展によって庶民も次第に時間的・金銭的な余裕を持つようになると、旅への関心が高まり、多くの宿場は繁栄しました。
しかし東海道には箱根峠、大井川、七里の渡しなど数多くの難所があり、原則として交通手段が徒歩であったことから、峠を越え、川や海を渡りながらの旅は苦難の連続でもありました。それでも人々は、様々な障害・制約を克服しながら旅に出て名所旧跡や風光明媚な景観を楽しむと共に、見聞を広めました。
今回の展示では大井川を中心に箱根峠、宇津谷峠、小夜の中山、七里の渡しなど、相模国から尾張国にかけての東海道の難所に関する資料や浮世絵などを紹介します。