清方は、日頃から街を歩く女性の装いに着目したり、古くからの日本美術や文学における美人を研究したりして、作品に描く着物や帯の色、模様に工夫を凝らしました。またスケッチした草花や風物を用いて、四季折々の景色の中に、風情豊かに女性の姿を描きました。本展覧会では、清方が描いた四季の美人画を紹介します。
紫陽花とあざみが咲く夏、風を感じながら松模様の着物を羽織って歩く姿が描かれた《薫風》を始め、女性が籠を手にかがんで土筆を摘む《春の野遊》、景勝を背景にした《江の島箱根》など、他所蔵家の作品とともにご覧いただきます。