本県燕市(旧・吉田町)出身の亀倉雄策(1915-1997)は、日本を代表するグラフィックデザイナーです。東京オリンピック、大阪万国博覧会などのポスター、ニコン、NTTなどのロゴデザイン、そして当館シンボルマークやロゴデザインも手がけました。亀倉雄策は亡くなる直前まで、「現在」という時代に求められるデザインを追求し、若い世代と競い合いながら生涯現役を貫き通しました。一方で、彼は優れたデザイナーを育成し、紹介することにも力を注いでいます。中でも、国内外の区別なく、優れたデザイナーの仕事を美しい印刷技術によって紹介した雑誌『クリエイション』の創刊と編集は、亀倉のデザインに対する想いが特に反映された仕事と言えるでしょう。また、日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)の創設にもたずさわり、初代会長としてデザイナーの地位向上に努めました。没後、その業績をたたえ、遺族の寄付により、グラフィックデザインのさらなる発展を目指して、1999年に亀倉雄策賞が設立されました。当館では、1999年の第1回より受賞作品を収蔵してきましたが、このたび歴代の受賞作品に加え、各受賞作家による近作、そして「亀倉雄策国際賞」の海外作家4名の作品をあわせて一堂に紹介します。時代とともに歩むグラフィックデザインの姿と出会う絶好の機会となるでしょう。