私たちの日々の話題となり、生活の中に深く根付いてきた世界各国の映画―それらを見つけ出し、買い付け、宣伝し、映画館に届けてくれるのが映画の輸入・配給会社です。2012年は、輸入映画の質的向上と輸入配給事業の健全な発達のため、国内資本の外国映画配給会社によって一般社団法人外国映画輸入配給協会(外配協)が設立されてから50年の節目を迎えます。
1970年代には、配給収入において外国映画が初めて日本映画を凌駕し、アメリカ・ヨーロッパ・香港映画など数々の大ヒットが国民的なブームを呼び起こしました。数々の流行語や社会現象も生まれ、当の映画だけでなく宣伝のキャッチフレーズが人々の記憶に強く残ることもしばしばありました。
外配協との共同開催によるこの展覧会「ロードショーとスクリーン 外国映画ブームの時代」では、主に1970年代から80年代に日本を席巻した作品を、当時のポスターや宣伝資料で振り返るとともに、外国映画配給のゴールデン・エイジを支えた大都市の劇場に注目し、「映画街」と呼ばれた都市文化の華やかさにも目を向けます。《日本人にとっての外国映画》を再発見する機会ともなるでしょう。