神奈川県立近代美術館は1951(昭和26)年に開館しました。その活動は企画展覧会が中心でしたが、同時に作品収集も進めてきました。美術館活動を収集活動の50年として顧みますと、1970年以前は、同時代に制作された作品を多く集め、それ以後は、美術史的な研究に基づいて収集価値のある作品を求める傾向にあったと言えます。阿部展也の《飢え》(1949年)から李禹煥の《照応》(1992年)までおよそ60点の作品を展示するこの展覧会では、1970年以前と以後の出品作品数に厚薄が生じていますが、それはこの美術館の収集活動をそのまま反映しているのです。それとともに、戦争直後から現代にいたる芸術家の「生活」と「創造」をご覧いただきたいと思います。