岐阜県は、美濃という陶磁器の産地を擁し、また多くの陶芸家を輩出してきました。なかでも、いわゆる人間国宝と呼ばれる国の重要無形文化財保持者、あるいは岐阜県の重要無形文化財保持者として認定される優れた陶芸家は、全国的にみても数多く生まれています。
本展は国体の開催を記念し、広くこの岐阜県で培われている高い技術と創造性を紹介するものです。第一回重要無形文化財(一九五五年)に志野・瀬戸黒で指定を受けた荒川豊藏(一八九四‐一九八五)から、加藤土師萌(一九〇〇-一九六八)、塚本快示(一九一二-一九九〇)、鈴木藏(一九三四-)、加藤卓男(一九一七-二〇〇五)、そして平成二十二年に瀬戸黒で指定された加藤孝造(一九三五-)までの六名の岐阜県ゆかりの人間国宝たちの作品を紹介します。
さらに八名の岐阜県重要無形文化財保持者の作品も紹介し、その功績を振り返りながら、美濃陶芸のなかに育まれ、伝え残されていく技と精神を考えてみたいと思います。