本展は、平成13年9月8日から11月11日まで金沢城址公園を中心に兼六園文化ゾーンを主会場とする「第18回全国都市緑化いしかわフェア」に協賛して開催されるものです。
そこで当館では、今回の全国都市緑化フェアのテーマである〈人とみどりが織りなす文化のくにづくり〉に添い、日本人が自然との間で織りなす美意識が、鮮明に表現された美術工芸の名品を選りすぐって展示することになりました。自然の中でもとりわけ花と緑を主題にした美術作品の中から、主に江戸時代より今日まで、時代と分野を越えて受け継がれてきた、豊かな感性が結実した約100点の作品を堪能していただこうとするものです。
具体的には、日本画・油彩画・陶磁・染色・漆工等の分野から、屏風・能装束・工芸品など形体・技法も様々なものを組み合わせることで、日本美術そのものを理解するにふさわしい「百撰展」とでもいうべき内容となることを目指しております。それにより、本展が今日問われている自然との共生、つまり自然環境へのいたわりと敬意を、改めて思い起こす一助となることを願うものです。