"19世紀末から20世紀初頭の西洋絵画作品のコレクターとして世界的に知られるウェルナー・メルツバッハー夫妻のコレクションによる展覧会です。現在スイスのチューリッヒ近郊在住のメルツバッハー夫妻は、おたがい幼少の頃から美術に慣れ親しんで育ったこともあり、1949年の結婚時より絵画作品の収集に並々ならぬ情熱を傾けてきました。毛皮商を営みながら絵画作品を集めつづけたガブリエーレ夫人の祖父母の遺産を受け継ぎ、また1960~70年代にニューヨークで見たフォービスムやドイツ表現主義、ロシア構成主義などの展覧会に強烈な影響を受けたことが、夫妻の現在のコレクションに特色を与えています。また他にフランスの画家モネやルノワール、セザンヌ、ゴッホら印象主義の絵画、ピカソの貴重な「青の時代」の大作やモディリアーニの作品、またロシア・アヴァンギャルド(前衛主義)作家たちの豊饒な作品も含まれています。なかでも特筆すべきは、カンディンスキーやクレーらドイツ表現主義の色鮮やかな作品群でしょう。
「私のコレクションの持ち味は""色彩の歓びだ""」とメルツバッハー氏の述べることばにコレクションの特色が端的に現れています。
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