鹿児島市立美術館では、館外でも多くの所蔵品に親しんでいただくために「蔵出し美術館」を年2回開催しています。この展覧会では、日本画や油彩画の中から自然の風景を描き出した作品を取り上げてご覧いただきます。
西洋で風景画が1つのジャンルになったのは17世紀と言われています。本展では、戸外制作を通して自然のありのままの色彩をとらえた19世紀印象派の画家シスレー、その後に堅牢な画面構成の風景画を描いたセザンヌ、フォーヴィスム(野獣派)の激しい色彩を経て古典的な作風へ移行したドラン、素朴な温かみのある森の情景を描いたボーシャンらの絵画を展示します。
風景画は、東洋では山水画と呼ばれています。この展覧会では、江戸中期の薩摩の絵師木村探元をはじめ、鹿児島ゆかりの作家の山水画、さらには西洋的描写を日本画に取り入れた古城江観の作品までご覧いただきます。
本展を通して、様々な視点や画面構成で描かれた東西の風景画をお楽しみください。