[特集]もうひとつの卒業制作─萬鐵五郎の「女学生」
常設展第4期の常設展示室では、明治から現代にいたる岩手ゆかりの作家たちの作品をご紹介します。また、萬鐵五郎展示室では、1月31日(火)から3月18日(日)までの期間、東京国立近代美術館のご厚意により、特別にお借りした5点の油彩作品を展示します。《裸体美人》は、萬の東京美術学校における卒業制作で、自身によって「ゴッホやマティスの感化」があったと語られているとおり、日本において、印象派以降の西洋美術の動向をいち早く取り入れた記念碑的作品。その他、萬の裸体画の代表作《もたれて立つ人》など、岩手県立美術館では初公開となる作品を、当館所蔵のスケッチや準備素描と並べてご紹介します。
特集展示では、女学生をテーマとした萬の素描に注目します。美術学校時代に描かれたこれらの素描は、《裸体美人》以前に萬が構想していた卒業制作だった可能性があります。どんな構想だったのか、なぜその作品は完成しなかったのか。残された作品から考えてみます。