今回の所蔵品展は、色彩の彷徨(さすらう、漂うの意)がテーマです。先の「メディアとしてのシルクスクリーン展」で紹介した靉嘔、前田常作などを含め、当館の所蔵品から14名の作品を展示いたします。
1960年代の高度経済成長期、若い日本の作家達は自らでデモクラート美術家協会のような美術組織を作り、連帯を深め、またその後、新たな可能性を求め、海外へ渡っていきました。
こうした活動の成果は、各国で開催される国際ビエンナーレでの日本人作家の活躍からも分かります。
展示する版画、彫刻、絵画の作品21点はどれもヴィヴィットな色彩に溢れています。会場内の色彩に導かれながら自由に彷徨することで、越境する作家達の軽やかな足跡と、そこに生まれた鮮やかなインスピレーションを感じていただければ幸いです。