中西信洋は、近年注目を集めている若手アーティストの一人です。2005年に国際芸術センター青森秋のアーティスト・イン・レジデンス・プログラム「かわりゆく世界で」に参加した中西は、雲谷および国際芸術センター青森の森で撮影された100枚の写真をフィルムに焼き付けて展示する≪レイヤードローイング≫(fig.2)を制作しました。会期中も好評だったこの作品は、その後多くの美術館で発表され、好評を得ました。また2010年12月には新青森駅開業記念モニュメントコンペにて選出され、作品≪雪まち─Aomori Reflection≫(fig.3)を制作しました。今回国際芸術センター青森では、これを記念して、中西信洋の個展を開催いたします。薄い境界の向こう側とこちら側、あるいは虚と実が反転しつづけるような世界を描き出す中西の作品は、映像、ドローイング、インスタレーションなどさまざまな展開を見せます。可視化された時間が、現前化した運動が、作品として目の前に現れるのをご覧いただけることでしょう。本展では、2005年制作の≪レイヤードローイング≫を始め、≪雪まち―Aomori Reflection≫へと続く中西作品を一堂にご紹介します。