「花」は季節の移ろいと共に、色とりどりの様相を見せ、その美しさはいつの時代も人の心を捉えて離しません。そして花の持つ魅力は、古今東西の美術や文芸作品の中でも、多彩に表現されています。
大正ロマンを象徴する画家・詩人の竹久夢二(1884-1934)も花に魅了され、数多くの作品を制作しました。夢二は日本画やスケッチで写実的に描き残した花をはじめ、花をモチーフにして展開したデザインも多く、さらに〈夢二式美人画〉においても、女性の姿を引き立て、また内面を映すために花を描写し、画面を華麗に飾りました。
さらに花を題材に、夢二は詩歌も残しています。代表詩「宵待草」をはじめ、花によせて自身の思いを文章に綴りました。
本展では、夢二が描いた花、そして詩歌にみる花を紹介、夢二が表した情趣溢れる花の世界をお楽しみください。