2011年は児島虎次郎(1881-1929)の生誕130年の記念の年です。
児島は、大原美術館の礎となる西洋美術などのコレクションの収集者として世に知られますが、画家としても日本近代美術史上無視することの出来ない重要な存在です。
《なさけの庭》(宮内庁三の丸尚蔵館蔵)に代表される慈しみを込めた眼差しで社会の実相を描いた作品、日本人としては突出した光と色彩の鮮やかさを獲得したゲント時代、さらに東洋と西洋の独自の融合を目指した1920年代の作品といずれも素晴らしい作品を描きます。またその評価としてフランスのサロン・ナショナル会員、帝国美術院展審査委員も務めました。
また本展は、近年の調査をもとにして、これまで知られてきた画家児島虎次郎のイメージを大きく再編する展示構成ともなります。
「あなたを知りたい」を副題に掲げ、児島虎次郎という広く深く活動した存在を尋ねる絶好の機会となることでしょう。