2011年2月26日 岡本太郎は生誕100年を迎えます。その記念すべき年のはじめとして、岡本太郎の活動を振り返りたいと思います。
戦後の日本で、岡本太郎はアヴァンギャルド(前衛)をキーワードとして多彩な芸術・言論活動を行い、強烈な存在感を示してきました。既成の美術の枠組みにとらわれず、それを凌駕する岡本太郎の活動の軌跡は、現代に生きる私たちにますます重要な示唆を与えはじめています。その先駆けとなった作品《夜》を始めとして、岡本太郎の多彩な芸術活動の一端をご覧いただきたいと思います。
油彩作品については、制作年を追う形で、表現の変遷を感じられるような構成になっています。また、パブリックアートの先駆者として活躍した岡本太郎の足跡を知るうえで貴重な、旧東京都庁舎の壁画のひとつ、《建設》(1957年)の油彩原画や、旧神田駅に設置されていたタイル壁画《花ひらく》を展示しています。壁画だけでなく、モニュメントも、数多く手がけ、太陽の塔を始め、今なお各地にパブリックアートとして設置されている、彫刻作品も紹介しています。
カメラを握り、各地を廻った岡本の活動は、数多くの写真と共に、貴重な資料として残されています。そのカメラと共に、撮影した写真を展示し、当時の岡本と日本の姿をご覧いただけます。
絵画・彫刻・工芸、書やグラフィックデザイン、テキスタイルデザインなど、幅広く世に芸術を発信した岡本の作品と共に、100歳を祝いたいと思います。